市況NEWS:秋の金融イベント通過後に動き出す「日米市場の攻防」
8月市場の振り返り
8月市況ニュースで予測した2つのシナリオに対する実際の正解は「シナリオA(好業績と買いの広がり)をベースに、後半はシナリオB(夏場の急振れ・金利警戒)が混在した展開」となりました。
【シナリオA】企業好決算と物色の拡大
主要企業の好業績や積極的な自社株買いが評価され、市場全体の底上げに貢献。
半導体だけでなく、素材・通信・医薬品など幅広いセクターへ資金が巡り、日経平均株価も月間で上値を伸ばしました。
【シナリオB】米金利高止まりとジャクソンホール会議の警戒
原油高やインフレ圧力を背景に、米国では高金利の長期化が意識されました。
8月下旬のジャクソンホール会議前後ではFRB高官のタカ派発言もあり、一時的に相場が激しく上下振れする場面が見られました。
9月中旬~10月中旬の重要イベントカレンダー
8月までの手探り状態を経て、9月中旬以降は日米の金融政策や重要指標の発表が相次ぐ「イベントラッシュ」に突入します。
・9月11日前後|米8月消費者物価指数(CPI)
インフレ減速傾向が継続しているかを確認。「9月FOMCの政策判断」を左右する重要指標です。
・9月15日〜16日|米 FOMC(連邦公開市場委員会)
利下げの有無や今後の金利見通しが示される、秋以降の最注目イベントです。
・9月17日〜18日|日銀 金融政策決定会合
追加利上げのタイミングや国債買い入れ減額のペースに関する発言に注目が集まります。
・10月上旬|米 9月雇用統計
労働市場の減速(ソフトランディング)が順調に進んでいるか、リセッション(景気後退)懸念が高まっていないかを見極めます。
・10月中旬|米 9月CPI & 企業決算発表スタート
インフレ動向に加え、主要企業の7-9月期決算発表がスタート。株価の関心が「金利」から「企業業績」へ再びシフトします。
9月以降の市況「2つのシナリオ」
企業業績が好調だった8月相場を経て、今後予想される「2つのシナリオ」を解説します。
【ポジティブシナリオ】
ソフトランディング期待と成長投資による上昇再開
企業の好決算と利下げ期待が買いを呼び、上値を試す展開になった場合の予測です。
米国の利下げ開始とインフレ抑制
CPI(消費者物価指数)などのデータでインフレの鈍化傾向が明確となり、FRBが適切なタイミングで利下げへ舵を切る展開です。
適度な景気減速(ソフトランディング)が確認されれば、投資家心理は大きく改善し、グローバルな株式相場に追い風となります。
強力な設備投資(AI・データセンター)の継続
7-9月期決算発表(10月中旬)に向けて、製造業やAI関連・データセンター・インフラ関連企業の強固な業績が相場を力強く牽引します。
また、日本市場においても企業改革や賃金・物価の好循環が下支え要因となります。
物色対象の広がり
金利先高感が和らぐことで、ハイテク株の買い直しに加え、割安感のあるバリュー株や中小小型株にも幅広く資金が流入します。
【ネガティブシナリオ】
急激な円高とリセッション(景気後退)懸念
取引量の減少と金利・インフレ懸念により乱高下する展開になった場合の予測です。
原油高・インフレ再燃に伴うFRBの警戒感(金利高止まり)
地政学リスクや原油価格の高騰を背景にインフレが再燃した場合、FRBの高金利長期化が株式市場の重しとなり、株式市場のバリュエーション(割高感)調整を招く可能性があります。
日米金利差縮小による円高急伸
「米国の利下げ」と「日銀の追加利上げ観測」が重なり急激な円高が進むと、日本の輸出関連銘柄を中心に株価が調整するリスクがあります。
秋特有の季節的なボラティリティ
9月~10月は機関投資家のポートフォリオ調整が重なりやすく、重要イベント前後の思惑で株価が大きくブレやすくなります。
今後の動きはどうなる? 10 月中旬までの見通しと対策
当面はイベント通過後の市場反応を冷静に見極めつつ、「円高局面でも業績が崩れにくい銘柄」や「内需・インフラ・高配当バリュー株」などの動向を確認しながら、市場を見極めていくことが重要です。
相場が大きく動く秋口は、日々の株価を追うだけでなく「ご自身のポートフォリオや運用環境を整理する時期」としてみてもよいでしょう。
現金の余力(キャッシュ比率)を確保しておく
9月中旬の乱高下で魅力的な銘柄が巻き込まれて安くなった際、冷静に「押し目買い(安くなったところを買う)」ができるよう、ポートフォリオ内の現金比率を適切に保ちましょう。
「為替(円高)に強い銘柄」への分散を検討する
ご自身の保有銘柄が輸出関連やハイテク株になどの特定銘柄に偏っている場合は、内需株や高配当株などを組み入れて分散を図ってもよいでしょう。
10月からの「NISA口座見直し」に備える
10月1日からは翌年分のNISA口座開設・金融機関変更の手続きがスタートします。
「今の運用計画のままで良いか」「金融機関の変更が必要か」を整理・点検する期間として活用しましょう。
💡IFAからのアドバイス:「NISA口座見直し」に向けた準備を!
10月1日から、翌年分の「NISA口座開設・金融機関変更」の受付が開始されます。
・NISA口座がある金融機関で、十分なサポートや提案を受けられていますか?
・NISA枠を「なんとなく」で使い切っていませんか?
・ご自身のライフプランに合ったポートフォリオが組めていますか?
NISA制度は生涯にわたる資産形成の基礎です。
一度開設した口座も、年単位で変更することが可能です。
「今の運用方針で合っているか不安」「NISA口座の移管も含めてプロのアドバイスを受けたい」という方は、ぜひFPやIFAなどの専門家にご相談ください。
※本記事は2026 年9月10 日時点の法令や各種公表資料、市場情報等を基に当社が作成したものであり、将来の市場動向や運用成果を保証するものではありません。市場環境や法令等の変更により、内容が変更となる場合があります。

