【CASE1】NISAとiDeCoを利用したいのですが、どうしたらよいのかわかりません。(30代・会社員・独身)
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2024年1月から制度改正により「新NISA」がスタートして1年。
私の友人もNISAを利用したいという相談を受けたのですが、「NISA」という商品に投資すると勘違いしていました。
世間一般、意外とそんな人が多いように思います。
30代独身の方が、NISAとiDeCoを利用して資産形成を行うポイントをまとめます。
税制優遇制度について
NISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)の主な違いは下記のとおりです。
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NISAは途中売却可能で売却益が非課税というメリットもあり、流動性が高い点や少額から積立投資可能など、資産運用をスタートするのに取り組みやすい制度です。
“つみたて投資枠”は金融庁が指定した投資信託・ETF301銘柄(2024/10/24現在)、“成長投資枠”はさらに株式やREITを含めた2,355銘柄(2024/12/23現在)が投資対象です。
iDeCoは厚生労働省の管轄ということもあり、公的年金とは別に給付を受けられる私的年金制度の1つです。
老後資金作り(=自分年金の準備)が目的のため原則途中解約できませんが、現役世代にとって拠出額全額が住民税・所得税の控除対象のメリットは大きいでしょう。
特に、自営業やフリーランスの方は、「国民年金」だけで老後の生活費を補えないため、iDeCoの拠出額は会社員よりも多く(68,000円/月上限額)、節税と老後資金を準備するためにも最大限に活用したい制度です。
NISAとiDeCoを活用した資産形成
30代独身の方の場合は、「結婚」「子ども」「教育」「住宅」「老後」といったように人生の選択肢が多数ある状態です。自分一人の自由な生活だからこそ、自由に資産形成ができる時期ともいえるでしょう。
今の家計収支を確認し、余裕資金のほとんどをNISAやiDeCoで活用しても良いかもしれません。
例えば、手取り収入35万円で生活費25万円の場合、毎月10万円をNISAで積立投資する余力が生まれます。賞与の一部をiDeCo投資用に確保して毎月1万円iDeCoに投資する方法も考えられます。
NISAの活用
1. NISA口座の開設
NISAは一人1金融機関のみ開設可能です。すでにNISA口座開設していても、その年にNISA利用をしていなければ、他の金融機関に移管して利用いただけます(該当年に1度でも利用した場合は翌年分から移管可能)。
なお、NISA保有中の銘柄をNISAのまま他社移管ができないため、IFAに相談した方が安心です。
2. 投資方法の選択
“つみたて投資枠”と“成長投資枠”があり、どちららも積立投資可能ですが、“成長投資枠”では一括投資もできるうえ、投資銘柄の種類も幅広く対応しています。
初心者の場合、無理のない金額での積立投資から始めて、慣れてきたら徐々に投資額を増やしたり、一括投資を併用したりしていきましょう。
また、「ロボアドバイザー」のような投資一任サービス(=お任せ運用)は、その仕組みのとおりプロに運用をお任せしているので、投資先のリバランスやNISAを有効活用する機能(事業者によって対象外サービスあり)があり、現役世代向きの投資方法です。
iDeCoの活用
1.iDeCo加入区分の確認
国民年金の被保険者種別やお勤め先の企業年金の違いなどによって、掛金の限度額が異なります。
最低額5,000円から1,000円単位で設定可能なので、まずは掛金上限がいくらか把握しましょう。
2.税制優遇シミュレーション
NISAと併用する場合、iDeCoの所得控除による税制控除を確認して毎月の拠出額を決めましょう。
例えば、年収600万円・30歳・掛金10,000円の場合、iDeCoによる税制優遇額は1年あたり24,000円程度です。同じ条件のもとで35年間iDeCoを続けると、84万円程度の税制優遇を受けることになります。
まとめ
この事例について、ポイントをまとめると下記のとおりです。
ポイント1:NISAとiDeCoの積極活用
基本的に長期投資であれば、世界株式への投資がスタンダードといわれますが、「5年後に車を買いたい」など明確な目的がある場合は、別の銘柄の方が良い可能性があります。
NISA活用はできませんが、債券投資が向いているかもしれません。
家計収支や預貯金を確認した上で、計画的な投資を行うためにはIFAなど金融のプロの意見を聞いてみることも大切です。
弊社の場合は、作成したライフプランニングをもとに現状の把握を行うことで、初期投資額・積立投資額・投資銘柄などをご提案しています。
ポイント2:長期的な視点での運用
現状ライフプランニングをしても目的が定まらないので、今の時点では長期的な視点で運用することが重要です。
短期的な市場変動に一喜一憂しないことが重要ですが、人の感情は相場で揺れ動きやすいものです。
金融庁の『NISA早わかりガイドブック』で紹介されている「長期投資の運用成果」によれば、投資先を分散させて積立投資し、5年継続した場合の元本割れリスクは20%ですが、20年継続した場合の元本割れリスクはゼロというデータもあります。
相場が下落すると怖くなって投資を止める人が多いのですが、積立投資では、同じ金額で口数を多く買える(=量を増やす)のでむしろチャンスです。
弊社の場合は、相場に変動が生じて不安にならないよう、定期的に情報提供を行いサポートしています。
ポイント3:定期的な見直し
実際に投資をスタートすると、相場変動によってポートフォリオ(=資産配分)のバランスが崩れることはよくあり、定期的にリバランスすることが効率的な資産運用につながっています。
30代はライフイベントも色々生じる世代のため、適宜、預貯金を含めたポートフォリオの確認とライフプランニングの見直しが必要です。
弊社の場合は、現状の把握や資産配分の見直しなどのために、最低でも年1回程度の面談をご提案しています。
最後に、投資は最終的に「自己責任」になるので投資の知識を深めることも重要ですが、何かあった際に相談できるIFAやFPなどの金融のプロを味方につけましょう。